行ってみた、eatsa!
San Franciscoに2015年8月にオープンして各種メディアにも取り上げられた、ほぼ完全無人自動ファストフード店。
オーダーは客自身が、店内に据え付けられたiPadで行う。支払にはもちろん現金は使えず、クレジット/デビットのみ。
ウェイターがいなければ、レジ打ちもいない、赤シャツを着た補助スタッフが2名いるのみ。
調理人(ロッカーのような受け取り口の裏にいるらしい)は客からは見ることができない。で、実際にオーダーしたのはグルテンフリーの「No Worry Curry」、理由は名前が韻を踏んでいて洒落てるから。
オーダーから約5分で、無機質なロッカー風の受け取り口から「心配ご無用カレー」が出てきた。
グルメで健康意識が高いサンフランシスカンに人気のキヌア(南米原産の穀物)がすべてのメインメニューに米やパンの代わりに使用されており、値段の割に(各$6.95)、意外とボリュームがあり味もヘルシーで美味しかった。 ここからは個人的な感想。
最初は、「未来の飲食店!2001年宇宙の旅みたい!」と思いワクワクしていたが、途中からなんだか寂しいな、と感じてしまった。
以前某ファストフード店で働いていたことがあり、その際、接客業として、常に「スマイル」や言葉遣いを意識したり、レジ打ちやサーブをいかに効率よく行うかを真剣に考えたことがあって、そしてそれは自分を含め、人間にしかできない仕事だと当然に捉えていた。個人々々の努力の上にあった人間の仕事が将来、新しいテクノロジーによって容易く代替されうるもの、経営において無駄なコストとされてしまい、ピケティが指摘する通り、所得格差がこうして広がっていくのだと考えると、途方もなく虚しくなった。
ラベルの「No Worry Curry」の字が何となく皮肉に感じられた、そんなランチだった。
<参考>